主 2018-06-21 18:31:07 |
通報 |
▷六条 新月
────あら、たしか白服の…。(ふいに誰も居ないはずの隣の席から声が掛けられた。男性特有の低い声にぴくりと肩を動かせば司ずそちらへと目を向ける。目に入ったのは、肘をつき此方を見つめる男性、ウルフカットで目立つ派手めな銀色の髪は1度みたら忘れる事などできない。自身と同じ白服に所属していた吸血鬼だ、だがどうして自身の隣に?、はっきり言ってまだあまり話したことも無く初対面に近い状態なのだ、少しの警戒と困惑の感情が混ざり合う中只只相手を見つめていた。「私に何か御用でも?」なんの意味もなく初めての人に話しかける事もないだろう、何か用事あってのことなのか上記の問を投げ掛けながら愛想の良いにっこりとした笑みを顔に貼り付けて。もし、此処で相手が自身に危害を与える事があればすぐさま身を引く。相手は上級純血種嫌でも自身との力の差がある相手に生憎、真正面から突進するような無謀さは一切持ち合わせていない。でも、頼んだパフェを無駄にする訳にもいかず穏便に済ませようと相手を見つめた。)
▷桔梗
…んなっ!黒服!?(振り向いた相手は、見事な黄金色の瞳に黒の軍服を纏う吸血鬼。目が合った瞬間脳内が危険信号を鳴らした、たらりと頬を伝ったのは冷や汗で日傘を握っている手に自然と力が入る。ゆっくりと足を後ろへ相手との距離を離していく、遠くに見える陽の光が夜が終わり朝が訪れる事を知らせており、より鮮明に相手の姿を映し出していた。相手には、自身が白服だという事はお見通しのようだ己の焦りを気づかせぬ様に震える声をぐっと押しとどめ軽く一息。腕を組み問を投げかけてきた相手は自身を見つめている出来るだけ冷静を装い口を開けば「…お仲間だったのね。黒服の殿方はお暇なのかしら?」仕返しにと皮肉を込めた上記の言葉を紡げば耳へと届いた複数の足音。きっと自身たちを狩ろうとするハンター達なのだろう無駄な戦闘は避けたいが、段々と近づいてくる足音に眉を顰める。相手は上級吸血鬼大抵の相手なら問題なく切り抜けられるだろうが、自身はそう簡単にはいかない。焦りの表情が段々と滲み始めて元々白い肌が緊張のせいか余計白くなっていた。)
▷すずろ
あら、そう。(差し出した瓶は再び自身の手元へと戻ってきた。ちゃぷと音を立てる瓶をそっと手元に握っていたテディベアの中へと。チャックを閉め終えたところで相手へと目線を上げて、それと同時に取り出したのは赤い薔薇の刺繍を施したハンカチ。白い生地に赤の映えるソレを相手の抑える肩へと近づける。「…怪我していたでしょう?」傷を抑えるその手をやんわりとどかせばハンカチを患部へと優しく押し付けて、じわりと滲む血液、どんどん広がっていく赤は結構深めの傷のようで少し強めに抑えれば止血は完了。吸血鬼は傷の治りが早い、吸血鬼からの傷は若干治りが遅くなるがこの程度なら間を置けば治るだろう。「貴方、少し変わってるのね。人間の血はお嫌い?」何かしらの理由があり人間は吸わなかったのだろうがそれを直接聞こうとはせず遠回しな質問をして、だんだんと血が止まってきたのを確認すれば相手の手にハンカチをそっと握らせ、差し上げるわ。と一言。月の照らし出す夜の風景、所々光の漏れる夜景を並ぶように眺めれば相手の隣へと腰を下ろす。「…綺麗ね。貴方のその髪、この夜にとても似合ってるわよ。」月が照らし出す見事な白髪に微笑みを浮かべて。)
トピック検索 |