匿名さん 2018-06-10 21:12:24 |
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成合
( 感動やら悶絶やら歓喜やらで声は押さえ付けられ、そうしている間に見た目よりふわふわしている髪の毛が触れた。瞬間身体が石のようにピシリと固まり、全ての動きは活動を止め、ただ唯一心臓だけが生を表すかのように早鐘を打っていた。どうしよう、本当にどうしようさっきよりマズい。何がマズいって私とか私とか私とかここに他の人が降りてきたらとかそこら辺の問題が色々山積みなのだ。爆豪のことだし、もしかしなくても私は精神から殺されようとしている可能性がある。むしろデカい。コレだ。間違いない。てかそもそもくそカス強盗女とかいうパワーワード何。なんか私盗…ったんだろうなそう言うからには。心当たりはないけど後で返しておこう。 )
あ、ッの、ば、くご、
( やっと絞り出した声はどうもひ弱で貧弱なもので自分で笑ってしまう。笑える余裕があったらの話だけど。ちょっとほんと起きないと私が怖い私が1番怖い。と怯えながらどうしようかと思案していると、1番恐れていた事態が起きてしまった。エレベーターが軽くベルの音を立て、扉が開いてしまったのだ。つまり誰かが降りてきた。いやマズいマズいどうしようマズい本当にヤバい。とりあえずどうするべきか考え、咄嗟に寝る前に脱いでいた自身のブレザーを彼の顔を隠すかのようにかければ、エレベーターに乗っていた主らしい梅雨ちゃんに元気よく朝の挨拶を。 )
…お、おはよう梅雨ちゃん!え、あ、これ?えーっとその…あ、そう!緑谷!ウン!そう!なんか寝ちゃって、ほら最近疲れてたみたいで!
( 当然のように隣のブレザーを被る何者かを不思議がる彼女にうまい言い訳が思い付かず、体格から何となく想像したらしい梅雨ちゃんの『緑谷ちゃんかしら』なんて神の一声に便乗して何とか難を逃れた。水を取りに来ただけらしい彼女は上に戻っていき、ホッと息を吐く。このまま居座られでもしたらマジで死ぬところだった。 )
上鳴
( まあ多分嘘じゃない。そもそも耳郎の言葉を疑う気だってそんなにないんだけど、友達って雰囲気だったしそんな喋り方だった。何となくちょっと耳郎が気まずそうな顔をしていたのだけは置いといてだけど。話していた内容も世間話だろう。最近どうしてるーとか、耳郎が雄英に行ったのは中学じゃ有名だろうからその話とかそこらへんなんだろう。俺もこないだ中学のダチと会った時はそんな話してたし。「あー…と、そーじゃなくて、」でも聞きたいのはそんなことじゃなくて、あの耳打ちの時の話だ。流石にあの場面で世間話したわけじゃないだろうし、表情すら見えなかったけど去り際に残していくものってそこそこデカいものが多い気がする。俺なら爆弾は最後まで取っておく。電話番号なり徹夜で考えた最高の口説き文句なり、まあ口説き文句の方は俺の経験談なんだけど、そう言ったものが大半で。 )
耳打ち、されてたっぽくね?
( いつもの様に何コソコソしてたん?とかって言い方ができないのが酷く不自然で仕方がない。それが分かっていても何となくいつも通りのはっきりした言葉で質問ができなかった。したところで誰目線?ってなるのがオチだし、ただの友達に落とされた爆弾の話するってのもなんかちげーと思うし。それくらい俺でも分かってる。俺が1番分かってる。けど気になるのだから仕方がない。だって今デート中なのは俺じゃん?さっきも思ったけどさ、やっぱそーゆー見せ場奪われんのっていい気持ちしねーよ。さっきだって戸惑ってかっこつけらんなかったんだからそれくらいくれてもいいはずじゃん。なのにとられちゃったんなら聞くくらい許せよ。 )
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