紀元前4000年。その当時はこの世は全体が森に覆われ、その森の中では族同士での争いは無かったものの、文明等は存在せず文字も無い。硬貨なんて大層な物も、洋服何て物も無い。動物を自らの手で狩り、皮を剥いで服や水袋を作る。食料は動物達の肉で養い、傷口は薬草を揉んでそれを塗る。そんな自給自足の世界に何人かの高校生達が突然にして現実世界からその地へと飛ばされた。
スマホも無ければ、ベット、家すらない。足場の悪い地面には何かの動物の血と思わしき赤い液体が垂れている。森の為暑さは凌げるが、そこらじゅうに鹿や、兎等の動物が駆け回り、大きな木が当たり前の様な、でも何処か此方を見て隣の木々と陰口を叩いているようなそんな顔をして聳え立っている。氏族など…仲間などいるわけもなく、手を差し伸べてくれる人なんてこんな食べるのも酷な世界で誰一人としていない。何もかも失った彼等は救いの手を乞うのか、それとも自分達で生活していくのか。それとも、飢えて朽ちて狂乱して、死んで逝くのか?