悪魔 2018-05-21 14:45:41 |
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あの雲…雨雲じゃないな。ここは人通りはほぼないけど、住民には見つからないように注意しないと。ん?なん…ちょ、待て!待てグレル!こんなとこ___っ、…ん、…
(グレルを撫でながら空を見上げたところでようやくザックにも不穏な空気というものが感じてとれた。奇妙な黒い雲、太陽を覆って光を閉ざしてしまうのはこの街を夜と同じ条件にしようとしているからだろうか。グレルが悪魔の姿へと変わっていくのを横目にみつつ周囲を警戒するように見回す。悪魔を見つける目的はもちろんだができれば住人にもこの風景は見られたくない。あくまでも祓魔師の仕事は秘密裏に行われるべきだ。それにグレルのこの姿は住人にとっては少々刺激が強い。そうやって神経を研ぎ澄ませていると、ふいに名前を呼ばれた。反射的にグレルの方をみると、直後後頭部に手を回された。そこでグレルの意図に気がつくと慌てて体を離そうとする。が、悪魔の力に敵うはずもなく二人の唇は重なった。何度も響くリップ音、実際はそこまで大きな音ではないだろうが、ザックの頭の中はその音に支配されていくくらいに大きく、通りがかった住人にこの音を聞かれてしまうのではないかと焦りと羞恥が渦巻いた。だがそれ以上にキスをされるたびに体は熱くなり脳が溶けていくようで、息苦しくも気持ち良いような、複雑な感覚が襲いかかり顔にもそれが出てしまう。最後に唇を舐められると体を強張らせ、直後密接していた体が離されるとすっかり力の抜けたザックはその場でガクンと体制を崩す。なんとか膝に手をあて転ぶのは防いだが未だに息が荒く頬も熱い)
あ、あぁ…頼む…武器も、これだけだし…今は、まともに……やりあえない
(魔方陣がグレルの合図とともに飛んでいくのを見ながら服の下に隠していた投げナイフを取り出す。呼吸は整ってきたものの心臓がドクドクと緊張とは別で脈打っていて、とりあえずはグレルの行為に甘えると軽く手を挙げる。ふと顔を見てみればこちらに向けられていたのは懇願の顔で先ほど激しく口づけた相手とのギャップに思わず笑うと頭を軽く撫でてやり)
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