$10884 2018-05-13 15:49:18 |
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酷く優しい声が耳鳴りを呼んだ。目がぐるりぐるりと回るようにぼやけ滲む。
レミングスに誘われて。
手に力を込めたのが分かった。息がつっかえ上手く出来ない。声が上擦って掠れる。
辿り着いたは最の果て。
足がぎりぎりと痛み立っているのも哉っとになった。喉の奥が焼け付くように熱い。
虚空の地と燻る空の下。
喚き叫び。息を詰まらせ咳き込み。喉を掻き毟っては爪を突き立て。
初めて孤独と悟るだろう。
音の無い声は躯となった友が嘗て口ずさんだ唄を唄い脚を刈る。
一人では生きていけぬのに。
崩れ落ちた自身の身体は空洞には移らず。痛みはいつの間に風に拐われた。
初めて孤独を掬うだろう。
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