$10884 2018-05-13 15:49:18 |
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小学生に上がると面と向かって直接的に気持ち悪いと言われるようになった。隠しようのないそれは勿論周りの子には無くて、僕は当然いじめという行為の対象になった。それは学年が上がるにつれて酷くなった。服やら荷物やらがぼろぼろにされる度に僕は嘘の口実を練った。ちょうどその頃に両親は離婚して、父は家を出ていき、母も仕事で殆ど家にいなかった。弟も保育所に入って、送り迎えは仕事に追われた母に代わって自分が行くようになっていた。
手を繋ぎながら小さい弟は覚えたての言葉で僕に向かって言う。なんで兄ちゃんには黒いのがあるの? 僕はその時初めて弟に嘘を付いた。そして弟を理由もなく殴った。弟は泣いて、怒って、僕を殴り返した。あまり力のない弟の拳の感触はくすぐったくて笑った。腫れた顔がひきつって、痛かった。
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