$10884 2018-05-13 15:49:18 |
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5才になって弟が生まれた。 ガラス越しに生まれたばかりの弟を見て、僕はどうしてなんだろうと首を捻らずにはいられなかった。 なんでキミには気持ちわるいのがないのか、と。 まっさらで綺麗な弟に笑いかけながらそんな事を思っていた。でも同時にどこか安心もしていた。小さいなぁとも思った。 母は弟が生まれて見たこともない顔をするようになった。それから少し体の弱い弟に付きっきりになった。
僕のことを兄という名称で呼ぶようになって僕もそう呼ばれる度、なんだか名前が薄れていくみたいで気に入った。 弟は僕を見ても、無邪気に笑ってくるから新鮮だった。その無垢な眼は底が見えなくて不気味でもあった。
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