Fact is stranger than fiction.

己で在るという事は､人の話を聞かない事ではない｡話を聞いたり受け容れた上で､己の意見や考えを持てる人だ｡

何事にも左右されない人は､貫くべき信念を持っている人だ｡

そんな人になりたい｡

逆さまな世界で空を游ぐ｡

優しく温かな光が射す､初夏のこと｡

一人で住む1Rの部屋に己は居た｡
ベッドではなく､床に敷く布団に横たわって寝息を立てていた｡しかし､窓からは光が射し込み､上手く二度寝が出来ない｡

仕方がないのでゆっくり起きようと少し体を動かすと､喉の渇きが己を襲う｡
近くにある折りたたみのテーブルの上には飲みかけの500mlのお茶が｡徐にそのお茶へと手を伸ばすが､あとちょっとが届かない｡もどかしい｡
そんな状況が15分も続いた｡そんな気がしたが､枕元に置いてあるデジタル時計は起きてから見てまだ､2分くらいしか経っていない｡

どうして都合の悪いことはこうも時間が長く感じるのだろうか｡まだ完全には起きていない体を､脳を徐々に動かして己は漸く布団に座った｡
皺だらけのTシャツに､ゴムが伸び切った半ズボン｡おまけに直らない寝癖までが出来ていて､駄目人間丸出しだ｡

誰かが来たり見る訳ではないので良いのかも知れないが､流石に己が見ても酷い有様だと思う｡けれど､直す気力は何処にもない｡

当たりを見渡せば狭い部屋に散乱したゴミの数々が目に入る｡明日､ゴミを出そうと思っていたのに起きたのは昼過ぎで､ゴミ収集車はもう居ないだろうという事は分かっていた｡
長らく放置していた所為か､鼻につくような饐えた臭いが部屋に漂う｡


気持ちが悪い筈なのに､何処か懐かしく思えたこの情景はなんなのだろうか｡

考えても分からないまま､この情景に溶け込むように己も漂っていた｡これは夢なのか､そう思う程に現実味を帯びた世界から ｢　おはよう　｣

悲しくなれるアニメを観て､感情移入が出来ないまま何故だか涙を流す｡悲しいものだから嬉しくはなれないのは当たり前で､テンションが上がる事はなく､心が晴れるなんて事も何もない｡なのに､良く悲しいものを観たくなってしまう｡

きっと､その世界観や雰囲気に呑み込まれたいだけなのかも知れない｡

透き通った綺麗な飴玉｡
こんな眼だったら良かったな､と思って無理矢理己の眼に嵌め込もうとしたけど入らなかった｡取り替えたい｡

宙を舞う意識｡
くじら雲に乗って ｢　おやすみ　｣

どうしてくじら雲は己を置いて行ってしまったのだろう｡夏夜のように火照る身体が眠気を覚ます｡

人と話すのは苦手だけれど､今宵貴方が寝るまで何か話を聴かせてくれないか｡
なんて､入室を禁止にしたのに都合が良過ぎるな｡誰も見ていないだろうし､仮に見ていたとしても入りにくいだろう｡

覚めてしまった目をどうしようか｡

やはり寝れない時は観たいものを観たり､出来なかった事をするのが良い｡その方が有意義であるような気がする｡何かしたい事がある訳ではないのだけれど｡

ばんわさん。そして初めてまして、だよな。
ゆる〜く睡魔の訪れを待っているところなんだが、もしよけりゃ話し相手になってくれないだろうか。

ひとり静かに過ごしたい気分だったら、即退散させて貰うから遠慮なく言ってくれ。

今晩は｡初めまして､です｡
なりきり以外での初めての方なので少し緊張してますが己で良ければ是非､話相手にならせて下さい｡睡魔を呼べるかは分からないですが..

その時があったら言わせて貰いますね｡

なりきり界隈も案外狭いからなァ。もしかしたら、お互いのキャラクター越しに会話したことがあるかもしれんぞ（ はは、)
まぁ、緊張なんて話してくうちに和らいでいくだろうよ。眠たくなるおまじないも込めて、背中でも撫でとくか？（ 手伸ばし ）

浮雲 ( うきくも? ) さんがなりきりしてるならスレ違ったり､会話してる可能性ありますね｡それだったら面白いな｡
そうですね､焦らず流れに身を任せましょうかね..って､いやいや浮雲さんの手を煩わせるなんて己には出来ないですよ｡ ( 手捕まえ )
あ､握手｡握手にしましょう!

あぁ、まだ名前伝えてなかったな。読み方は「うきぐも」っつーことでよろしく。
もし以前にお会いした方だったら、まさかこんなところで再開するとは…！って無駄に感動しそうだわ。「某トピのあのキャラやってるPLです」って紹介するのも楽しそうだが、色々と小っ恥ずかしくなる予感ひしひしだ。

緊張してるっつーわりに落ち着いた…つーか、穏やかな雰囲気を覚えるなァ。…しかも意外とちゃっかりしてらっしゃるようで（ 手を掴まれるまま握手すれば、軽く指に力を込めてみて ）

あ､違った｡"うきぐも"さんですね､確りと覚えたと思います､多分｡宜しくお願いします｡
感動してあの時の思い出を語らうのも良いと思いますけど､絶対に恥ずかしいですよね..なので､分かっても秘密にしましょう｡御相手様に迷惑とか掛けるかも知れないので｡

そうですか?そう見えていたら嬉しいです｡内心は物凄く焦っていますがね｡え､あ..すみません､勝手に手を握って｡( 意味が分からないまま微笑み､握り返し )

そうだな、トップシークレットっつーことで互いの胸に秘しておくことにしよう。
…ところでお前さんはなんて呼べば良いんかね。特にこだわりが無いようであれば、そのまま"お前さん"と呼ばせて貰うが。

あー…たしかに。心なしか、少しばかり手のひらがしっとりしてるような気も。……なんてな。今夜は冷えるし、体温を重ねれば温さで眠くなってくるんじゃねぇの？（ 指先の力を緩めると、何と無しに握手を上下させてみて ）

今己はキャラが誰とか本体が云々ではなく､浮雲さんとこうして話せてるのが嬉しいです｡
誰かを招くつもりは無かったので､特に名前を決めていなかったんですよね｡センスないし､呼ばれる事は無いと思ってたから余計に拘りないので"お前さん"でお願いします｡

そんな事が分かるんですか!?緊張すると手汗が酷くなるんですよ､ベタベタしたらすみません｡そうですね､こうして手を重ねて振れば温かく思えます｡( 振られた手に便乗し､激しく上下させて運動を )

こんな夜更けに二人きりで話せてんのに、キャラとか本体云々とか持ち出すのは野暮ってもんか。俺も、お前さんとゆったり言葉を交わしてる、このひとときが幸せだ。
確かに独り言を呟くだけの部屋なら、一人称くらいしか必要無ぇもんなァ。
……あぁ、そうそう。呟きをいくつか拝読させて貰ったんだが「おはよう」のSSで描かれてる 空気の表現が生々しくて5回くらい読み返したわ。生きてる文を読む楽しさを噛み締めさせて貰った、ありがとな。

緊張すると水気が多くなんの地味に困るよなァ。俺も似たようなもんだし重ねちまえば気にならないんじゃね？……っと。お前さんの手、案外ジャジャ馬なんだな（ 目瞬かせながら笑い半分、上下する手をどうどうと宥め ）


レス遅れてすまねぇな。そろそろ睡魔さんのお迎えが来たようだからお先に失礼するわ。
楽しいひとときをありがとう。
おやすみ。良い夢が訪れますように。

そう言って貰える己もこの､温かな一時を噛み締めてます｡はい､名前が無くても困らなかったので､名前を付けて置けば良かったかな?と､今更ながらに思いました｡何でも良いんですけどね｡
いや､そんなSSと呼べる程に纏まったものでは無いですよ｡って､そんなに読んだのですか!?何だか恥ずかしい..けど､とても嬉しい言葉です､こちらこそ有難うございます｡( ぺこり )

困りますよね､分かります｡それじゃあ､浮雲さんの手汗は己の手汗で消してあげますね｡ジャジャ馬だなんて､元気な手と言って下さい｡( 落ち着きを取り戻しつつパッと手を離して見せ )


ちゃんと睡魔さんが来て良かったです｡
己こそ､態々このような所まで来て下さり有難うございました｡浮雲さんにも良い夢が歩いて来ますように｡


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