医師 2018-04-29 11:51:43 |
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さて、ここからは便宜上患者のことは人魚と呼ばせて頂こう。
人魚は早死してしまうと君は理解した、しかしそれには例外がある。
少なからず大往生を遂げた人魚もいない訳では無いのだ。
その条件はひとつ、10年間のうちに最愛の人と結ばれること。
難しいことのように聞こえるかね?
いや、実際これはとても難しい、制度が整うまでは多くの人魚が10年で泡となって消えた。
人魚が消えた水は恐ろしい猛毒となって蒸発し周りの人間を蝕む、それもあって人魚は迫害されてきた歴史を持っている。
おっと私は歴史学者ではない、話を戻そう。
とにかく、人魚が消えてしまうことは人魚にとってはもちろん、その他の人々にとっても頭の痛い問題だった。
そこで政府はプリンス、またはプリンセスと呼ばれる人魚に1人あてがわれる世話役を生育することにした。
プリンス(プリンセス)は若く容姿端麗で成績優秀、運動神経もよければ性格も申し分ない所謂エリートの中のエリートだ。
彼らの仕事は人魚の世話もあるが、人魚を自分に惚れさせて生涯愛し抜くこと。
人はそれを仕組まれた愛だと馬鹿にし皮肉を込めて世話役をプリンス、プリンセスと呼ぶ。
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