主 2018-04-07 08:22:16 |
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…あの方?
(常に一定を保つ表情は無くなり、これまでで最初に見せた明らかな心の動く瞬間だった。冷徹は消え、たちまち驚愕へと染め上がった姿を見ては自身の考えに間違いはどうやらないらしい。しかしながら、衣服の胸元を掴むその手からですら言葉を飲み込み、適切な理解が出来ない事が伝わってきた。それも仕方がないだろう。眠った時と違う時代は言ってしまえば世界自体が違うようなものなのだと表現しても、一理ある。石を投げられた湖のように感情の揺らぐ声色と共に発した「あの方」。どういった人物かそれだけでは流石に判断が不可能で。)
……落ち着いて。きっと今の君は、あまりに理解しがたい事だと思う。それは僕も同じだよ。僕達の互いに思う何かがまるでかみ合っていない。だからさ、二人ずつ質問でも出して答えてみない?闇雲にやり取りをするだけじゃ、得るものも得られそうになくなってしまう。
(少しばかり躊躇はしたが、拒まれてしまう想像を切り捨て片手を上げては彼女の手に優しく重ね。このままでは混乱が混乱を引き寄せ複雑にかき混ざるだけだと思い、安直な発想ながらもそうする以外に他はなく、出来るだけ刺激を加えないようそう言って。つるりとした感触に雨水に気付き、取り敢えず滴り落ちている水滴を拭くためにタオルが必要で。前触れもなく現在の天候とは対照的な笑顔へ変え。)
そうだね、まずは体を拭いておこうか。ずっと濡れたままっている訳にもいかないし。
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