主 2018-04-07 08:22:16 |
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(怠慢など許されないとでもいうように厳格でいて、一切の乱れを感じさせない態度は出会った時から変わっておらず。身に包んだ軍服や敬礼、何より先程告げられた軍用兵器といった発言はやはり国家が直々に動かす団体のために作られた事を表して。果たして何をしにやって来たかを尋ねようと口を開いたが、それよりも素早く彼女の行動を止める暇さえ許されないままに事態が進む。すると、容赦なくかけられた頭部から確実に伝わる圧力。驚きに満ちた声が漏れ出し、それと同時に己の身体は床へ接触しており。周囲の安全確認、危険、そして室内に響き渡る等間隔に刻まれた妙な音。どういう事なんだ。これじゃあまるで、実際に戦争にでも巻き込まれているみたいじゃないかと心の中で呟いた。
しばらくしてから、済ませるべき事は済ませたらしい。相変わらずの義務的に聞こえる声にハッとしてはその場から立ち上がった。)
…ええと、ゼロ。もしかしたら君はまだ戦争が続けられているって思っているのかな?
(彼女をどう呼ぼうか、僅かながらも逡巡をしてからは数字の名詞を扱うと決めた。歩み寄り、先程の言動を振り返る。憶測でしかないものの現在に至っても戦いの真っ最中にいると認識しても違和感はなく、むしろ辻褄が会うのではないだろうか。困ったように、穏やかな微笑みを浮かべ)
今はね、戦争なんて行われていないんだ。少なくとも、ほとんどの国ではと言うべきだけどね。けど僕の住む所は違う。恐らく…君が活動を止めた日から起きたあの日まで何十年もとっくに過ぎた筈なんだ。分かるかい?時代の流れ、過去と現在。イデアというロボットはね、今では見られないし、あっても厳重な博物館くらいなんだよ。
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