◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Junlong
う、うん。まぁでも、いろんな色の絵の具がずらっと並んでちょっとだけ壮観とか、そっそんな程度だよ…! 独特っていうのはほら、あの、画材屋さんって匂いが少し他の店とは変わってるというか。ええと、こう…ええっと、
(目的地への道中、不用意に落とした言葉がどうも彼の期待を更に煽ってしまったようだ。急ぎハードルを下げるべく具体的な説明を試みるも、己の乏しい表現力では両の手を胸前で無為に動かし謎の形容を行うのが限界で。そうしている内に目的の店へ差し掛かっては、話に夢中になるあまり通り過ぎかけた足に慌てて急ブレーキをかけ。「そう、だね。へ、変だとは思うんだけど、やっぱり何時でも何処でも絵が描けるようにしておきたいというか、何だったら起きてる間はずっと鉛筆か筆を握っていたいというか…――あっ、ここ! ここだよ。…匂いの件はその、入ってみれば分かると、…思う」ぽそぽそと纏まらない言葉を紡ぎつつ、店の扉に手を伸ばすとそのまま中へと踏み入り。ここを利用し始めてほんの数ヶ月とはいえ、何処の画材屋でも変わらぬ新しい画材とインクの混じり合った独特の香りが忽ち鼻腔をくすぐっては、無意識に口角を上げ上機嫌に店内を見回し。)
…雑貨は確か、右奥…かな。俺が買う物は決まってるし、会計を済ませる間、俊龍はそっちを見ておく…?
>Leone
…そ、そっか。…っ、そうなんだ…!そういう仲じゃないんだね! ――…あっ。え、えと…まぁ、俺には全く関係ないし、別にどうでも…よっよくはない、けど。…あ、あの……、…ッ。
(苦々しい面持ちの下いよいよ投げ掛けた問いへの返報は、真っ向からの明瞭な否定。訝しげにひそめられた眉やハッキリとした口振りから虚偽や含むもののない言であると分かり、思わずぱああ、と上げられたフード下の顔を憂色から明朗なそれへと一変、更には嬉し気に己の両の手まで重ね握り締めてとなんとも分かりやすい喜色を示し。よもや彼に限って己より大事な存在が他にいない訳もないだろうが、それでも腹底渦巻く暗い欲は一先ずの収まりを見せ、代わりに溢れんばかりの安堵で満たされる様は我ながらなんとも現金で単純だ。しかし、たかが“友人”の恋愛事情に一喜一憂するその言動の不自然さに気が付けば興奮の余り僅かに浮いてしまった腰を戻し、しどろもどろに誤魔化そうと。当然ながらその因果を己の拙い弁舌如きで巧みに取り繕える筈もなく、ただでさえ愚鈍な思考が瞬く間に混迷を始めては必死に言い継ぐ口を中途で噤み、再び伏せた瞳を左右に揺らして。…気付かれた、だろうか。などと無理矢理に完全な自覚と自認を遅らせ続けている身には訳も分からない筈の危惧と不安が胸中にじわじわと広がり、嫌な汗が手の平に滲む。こんな、まるで隠し事の露呈を恐れるかのような心境は本来誤りでしかない。自らには後ろ暗い所など何一つとしてないし、彼が誰とそういった仲になろうが関係などないのだから。ある筈が、ない。――…そうだろ。今不得要領に言い継いだ言を幾度も胸中で復唱すると共に、友愛と呼ぶには余りにも過ぎたそれを強く強く踏み躙っては、無意識に力のこもった指先がズボンに深く皴を作り。フード下の奥歯を密かに噛み締めどうにか感情を殺すと、先の奇怪な言動への追及を逃れるべく、急ぎ更なる問いを投げ掛けて。)
…ごっ、…ごめんなさい。あの、気にしないで。…ちょっと、いつも通り反応を間違えただけというか…なん…というか……ッ、さっきの! …“本当は仲が良いかどうか分からない”って、どういう…?
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