フィレモン 2018-03-25 12:58:18 |
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えーと、その…これ何?撮影?ぬいぐるみだよネ、これって。
イヤーさっきは思わず驚いちゃったけど……カメラどこかな。
(状況が呑み込めないまま辺りを見渡し、自分の中で“何かの撮影”という結論に達すると、いつもの締まりのない表情に戻り、目の前の異形に歩み寄ればペタペタ触り始めるが、甲高く不快な声で“ザン”と聞こえるや否や、自身の身体は強い衝撃とともに吹き飛び、強烈に壁に打ち付けられ)
……かはっ!
ちょ…なに、これ;ものすごく痛い…んだけど…!
うぅ…困った…な…全身痛くて動けない…。
あんなのもう一度、もらったら…!
(全身を背中からしたたか打ち付け、その衝撃に動けなくなり、壁を背に寄り掛かるように座り込み、立ち上がることもかなわず。痛みに顔を歪めながら、こちらに近づく異形をただただ見ることしかできなくて。)
はは…は…さすがに、死んだネ、これは;
おとーさん…ゆーちゃんのこと、よろしくね…。
――ドクンッ!!
(こちらに近づき、とどめを刺そうとする様子に、茶化すように言いながらも、内心この場面でそんなことを言ってしまう自分に呆れながら、父と、一緒に住む従姉妹の少女を思い浮かべた瞬間、脳と心臓が大きく脈動し、大きく目を見開きながら脳に直接声が響き始めて)
「ねえ、死ぬの?死んじゃうのニンゲン?」
「キャハハッ!」
「死んだら、私が脳みそすすってあげるね♪」
「あ…でも、あなたあまり頭よくなさそう。きっと味はイマイチ」
「ねえねえニンゲン、だったら、もうちょっと足掻いて死んでみない?」
「…契約完了だね、キャハハッ!」
「我は汝、汝は我。モー・ショボーはねぇ、汝の心の海から生まれたの」
(脳に声が響き終わると同時に、ポルターガイストから再び衝撃魔法ザンが放たれるが、モー・ショボーが放つ疾風魔法ガルに相殺され。続けざまに放たれたガルによりポルターガイストは、その身を消滅させ)
はぁ…!はぁ…!何この力…;
全然、何一つわかんないけど…どーやら生きてる、ね…私。はは、は…;
(先ほどの出来事を何一つ飲み込めないまま、ただ“死んでいない”“助かった”という事実だけ理解すると、脱力するようにその場にへたり込み)
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