夜に咲くのは紅き薔薇（〆）

…それだけで充分すぎる理由だよ。
（「人を愛していた。愛していたから人間の街に住んでいた。」述べられた理由に、思わず微笑みかければ上記のように言って。自嘲気味な笑みを浮かべる相手がこちらへと視線を移せば「ラヴロッカさんが何者でも何を愛するのもラヴロッカさんの自由だ。それに、その酔狂がいいんじゃないかな？」と、愛は隔たれるものではなく皆平等で自由なものだと自分なりの論を相手に伝えて。）

…でも、人を傷つけないために自分が我慢するのも違うと思う。
（笑みをこぼしながら言葉を紡ぐ相手には、それなりの理由があるのだろう。それか過去にトラウマになるような、なにかショックになるようなことがあったのだろう。しかし、相手にも譲れない思いがあるのと同じようにこちらにもわかってもらいたいことある。「あなたは優しい」と告げられれば「ラヴロッカさんこそ」と、我慢してまで他人を傷つけることを嫌がる相手こそ優しいと返して。）

だからって、このままじゃ死んでしまう！
（こちらの問いかけに対して、きっぱりと大丈夫でないことを告げられると、突然声を荒げて。命の源である血を摂取することをやめた相手にも相手なりの理由と覚悟があるのだろう。しかし、目の前で弱っている相手を見過ごすことなどできるわけがなく、「なんで血を吸わないんだ？」と、何か自分が解決できるかとしれないと理由を聞いて。）