女吸血鬼 2018-03-16 22:46:31 |
通報 |
……愛していたの。その人の傍にいるために、人に紛れて住んでいたのよ。ふふ……酔狂だと思う?餌を愛してしまう獣なんて
( 相手の鋭い問いに、そっと目を伏せる。己の過去については、隠すつもりはない。そして告白するのは、吸血鬼にとってはただの得物に過ぎないはずの人間を、かつて愛していたという過去。自嘲気味な微笑みを浮かべて、ノアへと視線を戻して )
いいえ、そんなに悪くもないわ。孤独に耐えれば、もう誰も傷つけなくて済むもの
( 寂しいことは絶対によくない、という若者らしい率直な意見に、思わず笑みをこぼしてゆるゆるとかぶりを振る。寂しいにはそれなりの理由があるのだ、とふんわり告げて、“あなたは優しいのね”と付けくわえて )
勿論、良くないわよ……肉体的にはね。けれど、これは昨日今日決めたことではないの。ふふ……あなたにとっては喜ばしいことなのに、変わった人ね
( 大丈夫かと言われれば、素直に大丈夫ではないことを告げる。その通り、ラヴロッカは衰弱している。使い魔たちに身の回りの世話をしてもらいながら、ゆっくりと死を待つ生活だ。それよりも、目の前にいる吸血鬼が、もう血は飲まないと述べたことに対して、安堵よりも心配が先に来た相手に興味を抱いたようにじっと見つめて )
トピック検索 |