青年A 2018-03-12 23:09:29 |
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(咀嚼され甘酸っぱさだけが胃に落ちるなんとも心地の良い感覚に脳は支配され気が付かなかったものの半分以上平らげたところで漸く彼の紡ぐ言葉の一つ一つを聞き取れる程の余裕が現れて、未だほろほろと流れる涙を含んだ瞳で狼狽える彼を見上げて。思い起こせば昨夜、突如視界が暗転しそこからの記憶が途絶えている。問い掛ける前から素直に自供する彼の言葉の真相は後頭部に残る僅かな鈍痛が物語っており本来ならば動揺するべき所だが己よりも落ち着き無く此方を窺う見知らぬ男性を目の当たりにすると自然と冷静沈着に状況を悟り。おかしな事だが今迄の人生において嘘偽りの無い温もりを与えられたような気がし既に成人済みの良い年をした女性でありながら幼子のように泣き噦ってしまったと落ち着きを取り戻しつつある思考で羞恥心と後悔の波がどっと押し寄せ申し訳無さそうな眉を下げて。不意に差し出されたハンカチに又もや涙腺が緩めばすっかり腫れてしまった目頭を熱くし、遠慮がちに受け取りこれ以上の失態は見せまいと目元を抑えて「あ、ありがとう、ございます。御免なさい、みっともなく泣いてしまって…」我武者羅に頬張ったアップルパイの残骸が口の周りや掌に付着している事に気が付けば慌てて払い落とし、序でに服の皺も軽く伸ばしてその身を整えると改めて端麗な顔立ちの彼を見上げて)…私を、攫ったって事…?こんなにして貰ってなんだか拍子抜けだけれど…これって犯罪なんじゃ…。
(/遅くなりましたが本編が始まり喜びと期待に胸を膨らませております…!ご丁寧に有難う御座います、此方も一旦背後は切り上げますね!失礼致します!)
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