施設職員 2018-03-12 14:26:07 |
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③《シズク》→《雪峰(>24)》
ふぅん、思ったより肝が据わってるんだ。
(扉を抜けると施設内とは違った冷え冷えした空気が自分たちを包む。星詠みが初めて外へ踏み出した反応を見ようと首を動かせば、相手は自然な動きで宇宙へ踏み出していた。彼の住居とする星を見るその瞳は周囲の仄暗さの中で一層煌めいて見える。スラスターを少し噴かせて動作を確認して、ちょっとばかり面白くないような感情を込めて相手の評価を口にした。ここで相手が怖がったりするのを期待したのだが今回の星詠みはいい意味でしぶといらしい。)
…白っぽい星があるの見える?今日行くのはあれ、シシュフォスっていう名前の星。
じゃ、今から移動するからちゃんと着いてきてね。流されても助けてあげられないから。
(この地点からでも見える、白い光をぼんやりと放つ星の方向に人差し指を向けて今回の指定された小惑星の話をする。大した説明もそこそこに、慣れた手つきでスラスターを点火させるとふわりと宙に身体が浮かび上がり。さっきの動作を見た限り心配はいらないだろうが、安心させてはいけないという考えでまたきっぱりと注意を促しておく。そしてそのまま前方を向けば、指で示した星の方へ向かって行く。)
②《アカツキ》→《有栖川(>25)》
そんなに驚かなくてもいいだろ!
(第一声に悲鳴を聞くことになるとは思っていなかったので、驚かせたのは自分の方なのだがこっちも面食らって瞬間的に動きを止めてしまった。そしてすぐに可笑しさが込み上げてきたのでけらけらと肩を揺らしながら感想を口にして。握手の為の手を差し出せば彼女も幾分か緊張が和らいだように見えた。けれど手は握られず、控えめに彼女が手を引いたのを確認して自分も口に笑みを浮かべたまま無言で引っ込める。それが至って普通の人間の反応だ。)
あー。いや、呼び方を間違えただけだ。よし、早速任務を始めよう!俺に着いてきてくれ。
(不安そうにこちらを見る視線にたじろいで、片手を後頭部に回して申し訳なさげに笑む。自分の失敗で星詠みまで職員に目を付けられてしまっては居た堪れない。気を取り直して後頭部にやっていた手で拳を握り、部屋の端の扉の方へ誘導をする。その扉の前には薄い赤色の光を発するシールドの張ったゲートがあり、その前までやって来ると素早くゲートを潜ってしまう。足には軽装備なスラスター、手には黒のグローブが嵌められていて大きな両刃の斧が現れている。それを合図に職員が扉を開くという指示を出し、目の前の扉が静かに動きぽっかりと黒い風景がそこから口を開いた。)
これで俺は生身でも宇宙に出られるというわけだ。──準備はいいか?それじゃあ、行くぞ!
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