サテライト・オペレーション【SF│指名│3L】

①《アカツキ》→《有栖川(>21)》

(画面越しの地球からの通信のあと、何度目かの星詠みとの「リンク」特有の感触が全身を走る。呼ばれたということは自分の力を必要としてくれている人が居ると言うわけで、それだけで気分が良くなる。今回の任務は見回りなので派手な戦闘は期待できないのが残念ではあるものの、新たに星詠みと縁を結べることは悪い気がしない。あれこれ考えていると、地球に居る星詠みのホログラムが転送され完全に人の形を模った。迷わず星詠みの方へ向かい正面に回り込んでみる。恐る恐るといった様子で焦げ茶の片目を開けた彼女と視線が合ったので、八重歯が覗く程度に笑ってみせた。)
はじめまして！俺はサテライトのアカツキだ。今回はよろしくな、あり……星詠み！
(まずは軽やかに名乗り、挨拶のついでに握手を求めて右手を前に差し出す。当然彼女の姿はホログラムであるため触ることはできないが、形だけでもというのが自分のモットーである。彼女の情報は事前に地球から送られてきたので目は通していて、名前も星に興味があることも自分より年が下の女性だということも分かっていた。つい彼女の名前を呼びそうになったので口を止め、横目で周囲の職員を盗み見た。以前にも何度か星詠みの名前を呼んだために注意を受けたことがあるからだ。…今回は聞かれていなかったらしい。気を取り直して、肩書で再度呼び掛けたのだった。)

(／絡み文ありがとうございます～！いえいえ、お気になさらないでください！)




②《シズク》→《雪峰(>22)》

僕と星詠みさんは握手できないよ。まぁ、でもよろしく。
(挨拶と同時に差し出された手。自分が口を開く前に彼もそれが意味をなさないことに気付いたようだが、念のためにホログラムには触れないことを伝えておく。けれど、友好を示してくれたのに対してその対応だけでは後味が悪く思えて、小さく頷いて言葉を返した。星詠みだって月に来ようと思えば来れるのに、どうして映像で任務を行うのかは実のところサテライトの自分でも分からない。月での暮らしとか、費用とか諸々の事情があるのだろうと推測することしかできないのだった。次の相手の呼びかけでふと我に返って視線を相手に戻す。)
本当のことを言っておかないと、警戒心持たないでしょ。……僕に“付いて来る”っていうイメージをすれば普通に行動できると思うから、ちゃんと集中して。星詠みの適性があるってことは、近くに星蝕体が居たり異常があれば分かるはずだし。今回は実際に宇宙がどんな様子なのか分かればいいんじゃない？
(真剣な表情を真っ直ぐ受け止めて、こちらもサテライトの本分を果たすべく真面目な声音で。相手に付いて来るように視線で促し、部屋の端の扉の方へ歩き出しながら簡単ではあるが説明を行う。その扉の前には薄い青色の光を発するシールドの張ったゲートがあり、その前までやって来ると一度相手に振り返って表情を崩すことなく付け足す。「月から近い惑星は比較的星蝕体が寄ってこないから、宇宙を散歩するってだけになると思うけど」。そしてゲートを潜ると、足には軽装備なスラスター、腰部分には二丁拳銃が仕舞われたホルスターが現れる。それを合図に職員が扉を開くという指示を出し、目の前の扉が静かに動きぽっかりと黒い風景がそこから口を開いた。)
それじゃ星詠みさん、いくよ。