✡.°⿻ 足跡を並べて　：　〆　

（ぴたりと密着させた身体越しに何とも不愉快げな唸り声を感じては、思わず他人事のように笑いを一つ零し。獣である彼はもはや暴力とすらいえるこの砂風を遮る術を持たないが、そこは何分人の身。まだ荒野に足を踏み入れる前、この国の話を聞かせてくれた旅人から言い渡された注意を忠実に守ったお陰で己のみは本来苦痛であるはずの旅路を気兼ねなく過ごしており。注意を守ったその容貌とは垂れ布から口布と、兎に角砂塵避けを徹底したものでこれならば相棒にも何か工夫してやれば良かったと、どこか怒りの色が滲む毛皮を一撫でし僅かに反省を。己だけ楽をしている後ろめたさから、すっかり荒れてしまった毛並みを今朝の状態に戻すかのように無心で撫で続ければ、弾んだ声が耳に入り顔をあげ。声色だけでなく振り返った2つの琥珀色もまた喜色を浮かべており、思わずつられて目を細め「本当！？長い道のりだったねぇ…！すぐ準備します隊長っ。」なんて言葉を返し。思わずお巫山戯が入ったのは漸く人の目にも見えてきた城門に気分が否応無しに上げられたからであり、全ての準備が整った時には荒野のど真ん中小さく見えていた城門が目の前に聳えていて。覚えず漏れた感嘆と共に、逸る気持ちから無理に相棒の背から滑り降りタタタッと駆け出して。「でかいでかいでかーい！」両手を広げ興奮にきゃっきゃっとはしゃげば、その足で詰所を探し始め。これもまた砂塵避けだろうか、外からの何もかもを拒むようにぴたりと閉じた詰所の扉をコンコンと軽く叩き。暫く経っても反応のない様子に、今度はドンドンと幾らか強めにノックをしてみて。もし一回目のノックが暴風により音が伝わりにくかったというのであれば、流石にこれで相手方へ伝わっただろうと一息付いて。ふと相棒を見やれば毎度付いて回る一つの懸念を思い出し「サンセットも入れる国だといいけどね」とここまできてゾッとしない事を口にして。)

（／国の説明は充分でございます！ですが色々と脳内補完で書いている部分もありますので、寧ろなんだこれはといいロルがありましたら厳しくご指摘していってくださいませ。ロルの件も了解致しました。）