薊 2018-03-04 11:55:06 |
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__嫌いだよ、君なんか。
( 良い子は布団に伏せる大人の時間。カテーンで光を遮断された薄暗い部屋はベットサイドに取り付けられたライトのみで照らされている。一人で使うにしては些か大きすぎるベットと、其の脇に無尽蔵に放られた透明なボトル。そしてベットに横たわる二人。艶やかで妖しい雰囲気の中、ぽつりと発せられた言葉は、何時もの高慢な態度からはかけ離れていて酷く物悲しいものだった。相手から背を向けたこの体勢じゃ、詳しい表情は伺えないけれど、きっといつも通り、なんとも思っていない顔で聞いているのだろう。おざなりに返された台詞はやはり思っていた通りのもので。相手らしいそれに安堵しつつ、ぽっかりと開いた穴が更に広がっては、じくじくと痛む。無意識にそれに手をやってから、静かに瞼を降ろした。す、と伝う生暖かいものには気づかないふりをして。 )
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