カタバミ 2018-03-01 19:09:33 |
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子供というのは、純真無垢と同時に無知である。
手を上げれば頭を撫でてもらえると頬を緩ませ、両手を広げれば抱きしめてくれると思い、たどたどしく駆け寄っていく。
守られているという自覚はないにも関わらず、自分は親から一番に守られているのだと信じているかのような姿を男は視線で追った。玩具の飛行機を柔らかい線を引いた手で握り、効果音を口で言いながら飛ぶ状態を真似をしているのであろう、上下へ動かして遊んでいる。
はっきりとした音でその子供の名前を呼びつつ、距離を詰めるためにこちらから近づいた。
片手を差し伸べ、短く切られた髪の感触を味わいながら優しく撫でる。きょとんと不思議そうに、けれども、目尻に皺を寄せて見つめる目が愛らしい。
一旦、手を離し力強く拳へ変えては勢いよく振りかざした。
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