カタバミ 2018-03-01 19:09:33 |
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素朴さを残したままの中に一際目立つ、トッピングチョコや絵の具のように鮮やかなアイシングなど甘い装飾を施した厚化粧のドーナツ。
どう作られたのか疑問を抱かずにはいられない優美なレースに滑らかな曲線を描くフリル、そして胸元へ慎ましやかに結ばれているリボンといった品の良さを保ちながらも可愛らしさの要素を詰め込んだ欲張りなドレス。
散りばめられた飴玉は大小を問わず、すぐさま手のひらへ納めるか口に含みたくなってしまう衝動を与えるものの今回だけは宝石の代わり。
植物の葉や風にしっとりと濡れた空気が漂い、太陽が姿を現したばかりの朝焼けの空の一部をナイフで丁寧に、けれども出来るだけ素早く切り離した作った少しばかり固めのゼリーは水彩画を思わせる。
夜にのみ熟し、昼には再び青くなる忙しい木苺の塗料で扉は赤く、地図も案内人も立て看板もないがその空間への道を示すのは向かい風。
横へ二人並んで歩く事は難しい幅の石畳を挟んで咲くアネモネは日差しから顔を背けて首を垂らし、花びらの色を濃密なものへと栄養に蜂蜜が与えられ、クッキーは欲張りな小人に連れていかれる。
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