生徒A 2018-03-01 12:28:47 |
通報 |
(つづき)
梅重視点も明かしておくなら、やっぱり、怖いお兄さんから庇って貰ったことが大きかったです。梅重の本性は冷酷と言っても良いぐらいで、口先では平和主義を気取っていますが、実際はゲームにとても真剣に取り組んでいます。周りの生徒の挙動を一つ一つ、冷静に観察していますし、そのうえで戦略も練っています。隙あらば他の生徒を脱落させてやろうと企んでおり、意欲的に周囲と関わるのも「特定のヒント」を得るためです。
しかし、そうやってじっくり観察した結果、蛍君からは邪な意図を感じ取ることができませんでした。蛍君の挙動はむしろ「無邪気」という言葉がぴったり当てはまるものでしたからね。そして、こいつ、本当に良い奴なのかも……という気持ちが生じ始めていたところで、お兄さんに絡まれる一件がありました。
梅重はお兄さんに絡まれた時も一番に思ったのは「面倒臭いことになった」ということで、特に怖いとは思っていませんでした。それどころか、次の瞬間には「まぁ折角起こったハプニングだし、特定の材料集めに丁度良いかも」とも考えていたぐらいです。だけれど、そこで蛍君が取った行動はある意味、想定内で、またある意味、非常に予想外でした。堂々たる対応を目の当たりにして、恐らく梅重も「蛍君がギャングの若頭である可能性」を強く意識したと思いますが、そのうえで「自分を庇った」という事実もある。
梅重はここで最後にお返しした心情ロルの通り、相手の行動への解釈、本心の推察に迷うことになります。結果、拙速で軽はずみな特定宣言は控えて、今回のことは「一つの情報」として取っておき、もう暫く様子を見よう、と判断したのでした。腹黒いキャラクターなのですが、ちょっと情に絆されたところもあった、というのが結末ですね。
トピック検索 |