船 2018-02-28 19:12:05 |
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ほんま、お疲れ様やん。( ぐでん、とソファで自室のように寛ぎながら視線はキッチンで動く彼の姿をじっと眺めて。そんな忙しかった彼に料理を作ってもらうのは悪かったか、そう思うもののその姿には先程までの疲労の色も見えなくなって居て。 )…どっちでもええよ。( 目の前のテーブルへと並べられたコーヒーとココアの缶。粉末のコーヒーが入った容器は安価で手に入り、己も何度か買った事があるものだが、ココアの入った容器は如何にも女子ウケしそうな可愛らしいもので。もしかすると、女の人に貰ったものかも知れない、そう思えば只の友人であるというのに何処かモヤモヤとした物がむくりと頭を持ち上げる。己も彼も男だというのに嫉妬などするはずが無い、しかしながら思考を占めるモヤモヤとした黒い影はどう考えてもその類のもの。彼には職場での付き合いだって己との別の場所での活動だってある、それを分かった上でのその感覚は独占欲に似たものも含まれているのかもしれない。ふい、と顔を明後日の方向へと向け。我ながら態度が悪い、そう感じてしまうのは平静を装いながらもぶっきらぼうになってしまった声色も関係しているのだろう。表情を彼に見られてしまわぬように、その場で三角座りをして端に置いてあるクッションを抱きかかえれば、視線は逸らしたまま鼻から下半分はクッションに埋めるようにして。 )
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