七不思議に憑かれています!! ( 半指定 / 3l / 学校の七不思議 )

＞里見少年
里見少年はちょっと私達に慣れ過ぎたのかもねぇ…＿＿"普通"に考えてさ、携帯が建物すり抜けるってあり得ないでしょ。天井に携帯ぶん投げればぶつかって壊れるのが普通、それを花子ちゃんの不可思議超パワーで何とかしてる訳よ。物質同士がぶつからないよう携帯の液晶やら基盤やらLEDやら、くそ細かく意識下において……っと、そろそろ取れそうかも。
(自身の服を掴んで支えてくる相手の控えめなところは如何にも年頃の男の子といった遠慮が見えて何とも微笑ましく、同時にそんな普通の男子高校生である彼が今目の前で行われている行為に首を傾げる異常さを自覚していないことに少しの不安を覚えて。本来であればそもそも物がすり抜けるだけで異常な状況、すり抜けられないことに疑問を浮かべるなど相手が怪異側に意識を毒されている故の思考であり、あくまで生者である相手が異質な存在に染まり過ぎてしまうことを留める様に静かに諭す様な言葉を続け。丁度そこで携帯を見つけたのか不意に床から頭を引き抜くと暫し小さく唸りながら腕をゆっくりと引き上げ)
＿＿ッしゃあ取れた！ほれほれ、オマケも付けといたからもう無くしちゃ駄目よん。
(漸く床からぬるりと携帯を引っ張り出すと達成感のあまり強めに感動のガッツポーズを。そもそも拾った携帯を嬉々として持ってきた理由はこれだったのだろう、携帯には玉虫の羽と赤い糸で編まれた紐で拵えた根付の様なものが付けられており、それをオマケなどと称しながら改めて相手の方を振り返れば嬉しそうな笑みを浮かべながら携帯を差し出して)