ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
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「そうだったのか。で、君は感染症隔離病棟で何をしているんだ?」
「一時的にこの病棟の患者の管理を任されてるわ。で、あなた。あなた私に何か隠してるでしょ?」
「なにか隠してるって・・・。風俗の話ならもう・・・。」
「バカ!そんなこと聞いてるんじゃないわよ!あなたこの病院の医事課総合主任でしょ!この病院で一体何をしてるの?」
「主任をしてるけど・・・。」
「もう~~~当たり前じゃない!私が聞いてるのは、『この病院の研究室で一体何の研究をしてるのか?』ってことよ!総合主任のあなたなら、研究の大まかなことは知ってるわよね?」
呑気に居眠りして寝ぼけていた主任も、だんだん記憶がはっきりしてきた。
「・・・この病院の研究チームの中には、部外秘の極秘研究グループがいくつもある。例え妻の君でも、部外者には言えない。」
「・・・あなた。エイズの研究チームはどこなの?」
「何故君がそれを知ってる?これは日米間の極秘事項だぞ。」
「日米間?」
電話の向こうの看護師は、女に腹を撃たれた男が持っていたバズーカ砲がアメリカ製であることを思い出した。
「あなた。ゾンビが出てきた理由を知ってるわよね。」
「・・・君に会って直接話そう。ゾンビに噛まれた俺も君もHIVウィルスとAKウィルスの両方に感染しているから俺が感染症隔離病棟に入っても問題ない。だが今はNICUにいる俺たちの娘を感染から守ることが最優先だ。NICUの看護師に保育器の状態を確認してからそちらに行く。」
主任はPHSの通話を切った。
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