ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
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「先生。どうするつもりなんです?」
カレシが尋ねる。
「病院周辺のゾンビを院内におびき寄せて捕獲し、寿命を調べる。」
”女医”が答える。
「ゾンビを病院に入れるって、アネキ、いくらなんでもそりゃムチャだ。この病院に未感染者が何人いると思ってんだい?」
オトコが呆れる。
「優秀な医者のアネキも、エイズにやられたら、もう無茶苦茶だなぁ・・・。」
「いえ、この病院に1カ所だけ、ゾンビを隔離できる場所があるわ!」
そう答えたのは、看護師だ。
「そう。この病院には1カ所だけゾンビを無傷で隔離できる場所がある。」
「でも先生、その病棟の入院患者はどこへ誘導すれば・・・。彼らはせ・・・。」
”女医”が看護師の言葉をさえぎった。
「彼らは未だ偏見の目で見られるけど、服薬と治療を継続すれば全く無害よ。それにこの病院は、警備員室の操作で全てのドアがコントロールできる。ドアでしきって”仮病棟”を作ってそこへ入院患者を誘導し、『ゾンビのVIPルーム』を作る。看護婦さん、この病院全体の間取りは分かる?」
”女医”と看護師の”会議”は2時間に及び、全ての準備が整った。
”女医”は女に言った。
「あんた。拳銃を持ってあたいについてきな!これからあたいとあんたはゾンビをおびき寄せる”エサ”になる。覚悟はいい!?」
「先生と彼女がゾンビのおとりって・・・先生、それなら俺たちが・・・。」
「おいおい。アネキに任せとけって。俺たちより”女の勘”の方が鋭いからよ!で、アネキ。『ゾンビの棺桶』はどこなんだい?」
この問いには看護師が答えた。
「精神科閉鎖病棟よ。」
”女医”は女の肩に手を置いた。
「間違っても、あたいは撃たないでね。」
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