ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
通報 |
「あそこにあるわ。」
オンナの人差し指の向こうの長いすには拳銃とバズーカが無造作に置かれていた。
「あたい達は何も、泥棒じゃないのよ。」
『よかった・・・。』
「おいアネキ。男の治療が終わったみたいだぜ。今CT”治療室”から連絡があった。へへ。」
「そう。で、男は歩けそう?」
「いや、腹を拳銃か何かでブチ抜かれているみたいで、しばらくは安静が必要だが意識は戻っているとさ。」
女はびくっとした。男の腹に発砲したのは他でもない、自分だからだ。
「彼は、彼は大丈夫なんですか?」
「聞いた通りよ。彼に会いたい?そうよね、あんたの目を見れば分かる。拳銃はあんたがやったんだね。」
女は視線を下にそらせてうなずいた。
オトコはニヤニヤしながらつぶやいた。
「”オンナの勘”は恐ろしいなぁ、”アニキ”。」
オンナはオトコをギっと睨み、オトコの股間に手を当てて力を込めた。
「い~・いて・いてて。分かった冗談さ、そんなにマジに怒んなよ。」
「分かったら男を連れてきな!」
「分かったよ、ったく。でも俺一人じゃ無理。ヤツはドテっ腹ぶち抜かれてるんだ。傷口が開いたらどうするよ?」
「そうね・・・。」
女が訴えた。
「私が彼に会いに行きます!」
「君はダメだ。君はHIVにもAKにも感染していない。」
カレシが女を制止した。
『AK?HIVはエイズウィルスよね、だけどAKって・・・。』
オンナは肌を露出して騒いでいる、いかにも風俗嬢風の3人のおんなに目を向けた。
「あのコ等を連れて行きな。4人いれば足るでしょ?」
「へいへい。お嬢さん方、ちょっと”荷運び”手伝ってくんない?」
3人は振り向いた。
「ぇえ~私らがあんたと一緒に行くの~?」
「ホモが移るからこっち来ないでよね!」
オトコがふてくされ気味に
「お前等みたいな汚ねぇフーゾクなんか、こっちがメーワクってもんだ。だがな、”女医”のご指名なんだよ!」と吐き捨てるように言う。
口を閉じていた3人目のおんながオンナを見た。”女医”はうなずいた。
オトコ1人、おんな3人の4人はCT”治療室”に向かった。
1時間後、4人は、男が横たわっているベッドを囲むように帰ってきた。
男は女の目を見て、ほほえんだ。
トピック検索 |