ほのか 2018-02-25 17:46:31 |
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浩二とみくるはガス棟に入って「オクナ!」と書かれたフタのそばに来た。
「このフタの下が地下通路になっている。フタを開けるんで危ねーから少し離れてくれねーか?」
「なんか出てきそうやん!?ウチ怖い。」
「大丈夫だよ!俺と友秀が実際に開けたんだから。何も出てこねーよ!」
浩二はトラックに置いてあったハンマーレンチでフタのナットをゆるめ、天井走行クレーンでフタを吊り上げて横に置いた。フタを開けたのは2度目なので、浩二1人でも手慣れたものだ。フタを開けると階段があった。右側の壁には階段と地下通路を照らす照明のスイッチもある。
「この地下階段を降りた先の通路は病院の外になるらしい。その先は俺もわかんねーけどな。行くぞ!ついてきな。」
「ちょっ、ちょっと!めちゃ怖いから手ぇつないで!離さんといてや!」
「しょうがねーなぁ、はい!」
浩二はみくるの手をつないで階段を降り、地下通路を進んだ。階段は最初の1つだけではなく、通路を50m程進むごとにさらに下の階段へとつながっていた。1時間程通路を進み階段を降りまた通路を進むことを繰り返した後、最下階の長い通路にたどり着いた。かなり遠くにドアが小さく見える。
「おい!なんか変なにおいしねーか?タバコの煙みたいな。でもタバコとは違う。」
しかしみくるはこのにおいを数年前の懐かしい思い出として覚えていた。
「これな、大麻草の煙のにおいや。」
「大麻!?何でそんなこと知ってんだ?」
「高校生ん時な、お酒飲んでふざけてミナミのバイニンから大麻買って吸うてラリってたことあるねん。で、後になって警察にバレて高校停学になってそのまま中退したからよう覚えてるねん。」
「やっぱりアタマもヤラれてたのか・・・。」
「んなこと言わんかてええやんかぁ。大麻はそん時だけやし、今はタバコも吸わへんし、お酒は元々飲めへんし・・・。」
「何度も酒飲んでゲロ吐いてつぶれたことがあるから自分は飲めねーって分かったんだろ!?大体オエーはなんでもかんでも単純すぎるんだよ!何でこんな地下深くに大麻が生えてんだ!?温室栽培でもしねー限りこんなところに草なんか生えねーぞ!」
「うーん、ほな栽培してるんとちゃう?」
「あのな、病院の地下研究室で大麻を栽培してどうするんだよ?大麻の研究でもしてるって言うのかよ!」
「うーん、してるんとちゃう?」
「お前な・・・。」
浩二はみくるの単純さにあきれ果てたがそうこうしているうちに2人は小さく見えていたドアまで来た。
「おい、開けるぞ!ここから先はマジで俺も分からねえ。」
みくるは浩二の後ろに隠れた。浩二がドアのノブに手をかけてドアを開けるとみくるは目を見張った。
「・・・めっちゃ栽培してるやん!」
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