青春いれぶん！　／　〆.

霧野蘭丸　／　


やっぱりお前の方が可愛いな 、

( 期待通りの反応を見ることが出来れば珍しい姿に きゅん と胸を高鳴らせ 、そして 相乗効果なのかそうではないのか 、 幼い皮肉ですら愛しく思えてしまってどうしてこんなにも好意を寄せている相手を前にすると甘い気持ちになれるのだろう 、 浮かれた疑問が頭に思い浮かべばきっと今が幸せの絶頂期なんだろう なんて高々十年と少し位しか年齢を積んでいない自分が生意気にもそう考え 、 それと同時に 、 あんまりにも揶揄うと怒られてしまうかもしれないから抑えるつもりでは居るがあともう少し位今迄の仕返し程度に可愛く振り回されてくれたって良いだろうと考えれば悪い事を覚えた小さな子供の様に 、 けれども何処か嬉しさを含んだ悪戯げな笑みを見せて 。



　多田仁夏　／　


ふふ 、 そっかあ …

( 普段嘘をつかない性格の相手だからこそさっきの言葉も今の言葉も口先だけではない事がわかり 、 尚更募る恋心が相手への告白を急かしそうになるが朝からこんな話を持ち出しては相手は混乱してしまうだろう と此処は一端自制心を保ちつつも 、 嬉しくなってより緩くなる口元は抑えることなく気の抜けた表情で居て 。 しかし 彼処の角までという制限を儲けられるとその表情から一変 、 不満げに頬を膨らませて 「…倉間君のケチ」と言葉でも不満を表すものの本格的に相手に嫌われてしまうという想像すらしたくない状況になってしまえば己の心へのダメージは相当なものだと安易に想像がつき 、 行き場の無くなった拒みたい気持ちを小さく息に吐き出せば渋々と言った形で了承し 。