戦闘狂 2018-02-14 12:22:15 |
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(袋の中身はワッフルかロールケーキか、一つのパックに偶数個入っている甘いもの。笑みを漏らして袋を受けとる相手になんだかこっぱずかしいような気持ち。空いた手でマフラーを鼻の上まで引き上げるようにしながら、合わせていた目を相手から反らして。社会人となり、喧嘩も中高時代よりはよっぽど少なくなった今とは大きく違い、昔は荒れていたものだ。けれど、そんな自分に話しかけて、関わり続けてくれた相手のことは好ましく思っている。「…別に、なんも持ってこないってのもあれだから。仕事早めに終わったから来てみただけ、…ありがと」迷惑だったら帰る、なんて声は、座っててという言葉に押し留められて喉奥で消える。相手の部屋に上がれば、入って右手に大きな本棚、左手奥にベッドがあり、その間にローテーブル、といった具合だろうか。もしかすると、仕事道具も何処かにあるのかもしれない。ローテーブルの本棚側へ腰を下ろして、マフラーを解いてコートとジャケットを脱ぎ、軽く畳んで自分の隣へ置いた。その時に、ふっと目に飛び込んできた小さく白い何か。手を伸ばして拾い上げてみれば、それは小さな、しかし精巧な手。どくりと心臓が大きく跳ね、普段は半分ほどしか開いていない目を見開いてよく見れば、玩具であることはすぐにわかったのだけれど、それでも動揺は隠せず。「なん、だ、…フィギュアか、なにかの、」しげしげと眺めていれば、小さな手の塗装は剥がれ、付け根には傷が。そして全体的に、僅かに歪んでさえ見えるような。
──まるで無理矢理引きちぎられたかのようだ。
浮かんだ考えを打ち消すようにぎゅっと目を閉じて首を振り、目を開ければその先には、傷のついた床に設置された本棚が。部屋のなかを見渡しても手のとれた人形なんてものは見つからず、衝動的に立ち上がって目の前の本棚を動かそうと。その先にある壊れた人形たちを見つけて呆然としているところを見つかるか、それとも本棚に触れようとしているところを見つかるか。どちらにしても、近づいてくる足音に気がつくこともないくらいに、頭のなかが荒れていて。入ってきた相手は、本棚のすぐそばに立つ薄着になった自分と、手の内の小さな手を見るだろうか)
(/ざっくりと三つのものを置かせていただきましたが、他にこんなものを置いておきたいという希望や、本棚、ベッドの大きさなどは決めていただきたいと思います。あとはクッションや座椅子等があればそれらに腰かけていたことに…。ベッドとローテーブルじゃなくて布団とちゃぶ台派でも問題ないです!)
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