血が飛び交う喜劇〆

(休日出勤であったとはいえ、何時もよりずっと早く、明るいうちに仕事が終わり、少し落ち着かない気分で会社を出て。黒いマフラーに顔を埋めるようにしながら、駅までの道を歩いていた。明日は特に用事もないものだから、思い切り遊んで、夜更かしなんてしてしまおう。久しぶりに治安の悪い場所へ繰り出すのも一興か、と考えながら電車に揺られていれば、ふと、頭に浮かんだのは高校来の友人の姿。気がつけば友人の家の最寄り駅で電車を降りていて、そんな自分に苦笑しながらスマートフォンで「今から家いく」なんて一報を入れる。手土産もなしにというのは少し気が引けたので、途中のコンビニエンスストアに寄り、なにか甘いものでも購入して。友人の家へ向かう足は直に速まっていき、ついた家のチャイムをならせば、少し待っていてと声が。にっこりと笑みを浮かべて出てくる相手はいつも通りで、少し気が緩んだ。出てきてくれた相手には、ん、と片手でコンビニエンスストアの袋をそのまま差し出す無作法さ。それをするのも、十年には届かないとは言えど、長い仲であるが故のこと。スーツにコート、革靴にマフラーという格好、相手に仕事帰りであると知れるだろうか)
……突然悪い。これ、土産。


(/ありがとうございます！提案を受け入れてくださってとても嬉しいです……！勝手に季節や時間など、決めてしまいましたが、修正など可能ですので…！
こちらこそ、これからよろしくお願い致します！)