魔女 2018-02-13 12:58:54 |
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何も知らない人間風情が…知ったような口をっ…!
(目の前の片手で簡単に捻り潰せてしまいそうなやわな人間の言葉一つにこんなにも動揺している自分が不思議でおかしくて、それがさらなる混乱を呼ぶ。目は真紅に、髪は黒に染まれば上記を吐き散らすように言うが、どこかその言葉を否定できない自分もいる。「寂しい」ということが正確にどういうことなのか、分からない。それとも分かろうとしていないだけなのか、それすらも今は分からない。ただ、その言葉が痛いほど胸に突き刺さり、気づけば真紅の双眼からポタリ、と一筋の涙が頬を伝えば床に落ちていき「っ──な、涙っ…!?」指先に触れる、忘れていたその感触。生暖かく、孤独な涙。もう、流すことは出来ないと思っていたそれは、自分の意思とは関係なく溢れ出して。両手で顔を覆うと髪の色が戻りフラフラとその場に膝を着いては「……っ、人間がっ……お母様を殺した人間がっ……」と独り言のように時々嗚咽を漏らしながら溢れる涙を手でゴシゴシと拭って)
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