神歴5284年。
地図にも載らない小さな村がものの数時間で全滅した。
穏やかな農村に住んでいた若者数人が、山での狩りから戻ってきた時には村は何者かによって焼き払われ、村人は無惨にも斬り捨てられていた。
村に残っていたのは全身が血だらけの人間離れした容貌の男と若者の一人の妹だった。
男は若者たちを見るや、三日月型に口許を歪めて笑う。
若者たちの前で男は、捕まえていた少女の首をはねた。
妹が目の前で殺された若者は激昂して男に斬りかかろうとしたが、男は不気味な笑みを浮かべたまままるで幽霊のようにかき消えた。
村人たちを埋葬した若者たちは墓標を前にして誓う。
『あの男を殺すまではここには戻らない。この暁の空に誓おう。僕らはけしてあの男を赦してはならないと……』
※このトピは一部残酷な描写またはグロテスクな表現が含まれます。閲覧にご注意ください。
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