この世界には、ある掟がある。
別に、破ったら大きな罰を受ける、というもの等ではない。いわば、暗黙の了解。
週に一度行われる『世界中心都市会議』。
ここには、知識、草木、紅、煉金、水玉の王が集まる。この五大権王の他にもう一人いるのだが。それはまだ良い。
しかし、五大権王といっても、強い民衆の支持等を受けている訳では無い。それどころか、世間一般に公表すらされていない。国民を動かすのは国王。国王に意見を物申せる権力を持っているだけの事。しかし充分力は大きい。実際、この王達の知恵や能力で窮地を救われる事は多々ある。
そういえば、先刻話していなかった【もう一人】の存在の事を話そう。強いて言うならば、………黒闇の王。通称黒の巫女。そのなのとおり、巫女の姿をしているが、決定的に違うのは真っ黒な事。そして、大変貴重で使いどころによっては大変な力を有しているところだ。国に興味は無いのか、余り発言はしない。非協力的で、監視ついでにこの会議に入れられている。主な監視は知識の王が行っている。
そしてこの国『シュラトス』で、ある噂が浮上した。それは、隣国が戦争の支度をしている、というものであった_____。
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