いつの時代かも、地図に示すならどのあたりになるのかも分からない、ただ高い高い、天空の上。
石造りの城があって、その城の周りには幾つもの、大きな鳥かごが立ち並んでいました。鳥かごの中には、人間に似た姿を持ちながら、腕は鳥の羽根で、足では立つことのできない『鳥人』の娘たちが囚われていました。
娘たちは皆、大変に美しく、歌が上手でしたが、石造りの城の王に献上された奴隷の身分にありました。
鳥かごには魔法がかけられているので、その中にいる者は老いることもなければ、食べる必要もありません。ただし、睡眠だけは必要でした。
しかし、娘たちは、石造りの城の王に『日のない内は歌うように』命じられていたので、夜は眠ることができませんでした。
太陽が海原を紅蓮に染めて沈みゆく頃、今日もまた、一日の最後の陽光を受けとめて、濃く影を作る石造りの城に、歌姫たちの声が響き始めます。
これはそんな歌姫たちと偶然知り合ってしまった、渡り鳥たちの物語り。
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