主. 2017-12-31 13:58:32 |
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(普通の食べ物で味覚を感じないと言うのなら、嗅覚ぐらい封じてもいいのではないかと思う。味のしないものの匂いがわからないからといって特に不便はないし、館を包む鼻に付くチョコレートとやらの匂い、それに混じった血の匂いが吸血鬼の心を逆撫でしているのだと嫌に教えてくれて仕方ない。口にしても味がしないのなら別に匂いも感じなくていいだろう。己からしたら変な匂いのする固形のものとしか認識できないし、それもそれでなんだか負けた気がして嫌なのだ。吸血鬼は非常にデリケートである。)
…。甘、
(匂いから逃げるように人間の部屋に押し入り、ちょうど腹が減ったから牙を立ててやった。突然部屋に入られた人間は最初こそ戸惑っていたものの、いざ吸血となったら騒ぎも抵抗もしないのだから面倒がかからなくて良い。最初から最後まで無言で終われるというのは楽で、でも部屋から出たらまたあのチョコレートとやらの匂いが立ち込めるからうざったく思ってしまう。このバレンタインとやらを持ち込んだのは何年か前に来た東洋の人間だと聞いたけれど、そいつがいるならすぐ出て来いと言うもんだ。吸い捨てて二度とやんじゃねえと怒りつけたくなるような匂いがどうも苦手で、口の端にまだ残る血液を下で丁寧に舐めとれば鼻をひとつ鳴らし何に対しての言葉だか上記を呟き。)
(/それではビターで文を落とさせて頂きます…!闇落ちをするやもしれませんがよろしくお願い致します。)
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