主. 2017-12-31 13:58:32 |
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__へえ、
(ひとつ目は問題ない。聞かれたことに対して嘘をつかなければいいなんてのは簡単中の簡単だ。ふたつ目は__まあ許容範囲内だろう。彼女がいなくても他がいる。吸いたくなったらそこらを歩いてる餌を襲えばいいだけの話で、それは普段と変わらない。問題はみっつ目で、急所という言葉と共に彼女が示したのは紛れもなく首だった。首筋、…吸血鬼が吸血において最も牙を刺しやすく、また好む場所でもある。わかっているのか単純に首元が弱いのか、まあどっちにしろ変わらないのは己が少しだけ不機嫌になったという事実だけだ。吸血の場所を限定されると満たされるモノも満たされなくなってしまうし、1番相手の反応が分かりやすく牙の立てやすい首がダメと言われてしまえば満足のいくものができなくなる。ああ面倒だな殺してしまおうかなんて考え、息の根を止めるのは何となく負けた気がするから取りやめた。吸血とはこんなに面倒なものだったか。)
…お前の言う急所がそこだけなら呑んでやる、
(顔でも手でも足でも唇でも良い。血液は体のいたるところに流れているのだから、みっつ目を呑むのなら首だけをやめろと彼女が言うべきだ。人間と吸血鬼は似ていて全く違うから人間の急所の場所なんて知らないし、今己の中で人間の急所は首元だけだ。__ただ、もし彼女が否定の言葉を紡ごうものなら、それはいただけない。餌は主人に食べ方を指定してはいけない。人間だって焼かれた魚に尻尾は食うななんて命令されたことはないだろう。「…そこだけじゃねーなら、今お前を襲う」念を押すように半歩距離を詰め、瞳の赤が黒を織り交ぜた。)
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