主. 2017-12-31 13:58:32 |
通報 |
――や・だ・よっ。(何かを頼むのには対価が要る、そんな事は解かっていたし今し方顔を合わせたばかりの情も何もない女一人に相手がハイハイと都合よく言う事を聞いてくれる筈が無いと言う事もわかっていた筈。それでも爪が首の肉に触れる感覚は食い込む其れが刃物を連想させるほど生きた心地がしない。ガバッと勢いを持たせて己の首を防御すべく両手で包む様に触れながらブンブンと頭を左右に揺らし否定の言葉を。血を取られる、その行為に対して怖くないと言えば勿論嘘だが此処で一日でも長く生き延びる為に必要な好意だと割り切ることが出来る。それでも、同じように初対面の色男相手に密着して首からその行為を受けるなんてことは羞恥に殺されてしまう。首から行う吸血が持つ意味など無知だからこそ単純に恥ずかしいから嫌だと餓鬼臭い我儘を前面に持ち出して"べーっ"と舌先を伸ばせば「ビターのおにーさんにも言ったけど、女の子様の肌をそーそー安く見てもらっちゃ困るなあ!」唯でさえ、ビターにされた吸血行為が頭を過るのだ。あの行為を首元でされるとあれば耐えられる気がしない。「ヴィヴィちゃんは手から、しかもヴィヴィちゃんがあげるって時にしかあげないの」しっし、と犬でも追い払う様に手払いを行って「そりゃね、タダで案内して貰おーなんて図々しい事は考えて無いってば。ちゃんとお礼はするけど、――首は駄目!」"破廉恥ばっかだな此処!"羞恥からポコポコと怒る様に勢いを持たせて文句を一つ二つ、縛った髪を鞭のようにぱさぱさと毛先を揺らしながら「えっちなおにーさんは探検に連れてってやんないよ」片方の頬へ酸素を溜め込みぷくりと膨らませ、このままでは一人で探索を再開しかねないじゃじゃ馬を全開に告げて)
トピック検索 |