主. 2017-12-31 13:58:32 |
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(正体、環境に状況。何かに気付いたような彼女は思ったよりテンションを崩さない。吸血を良しとしているのかただ単にお気楽なのかはたまた別かなんて見当はつかないけれど、逃げる希望を見失っていないのは確かだ。逃がす気も逃げられる気もないのだけど、そんな心はしまっておいた方が良い。野心に破れて吸血に溺れる者のほうが諦めきったように脱力する者より好みだし、胸を寄せた時と何ら変わっていないように見える彼女が逃げることに失敗して殺されてしまうのも見たい気がするからだ。「_勘違いされちゃ困んだけど、おにーさんも逃がすつもりはねーよ」逃がしてやる選択肢はないけど殺す選択肢はある。包まれた手から伝わる熱は血液の循環を知らせるようで好ましい。弾けるように笑う表情は自称ジェントルマンとして好む部類に入るのだろうけど、己が見てみたいのは違ってしまう。「だからさ、」__何より囚われてもいいと発言したのは彼女だろう。にいと笑みを浮かべれば鋭く光る牙が顔を見せてきらめいた。…はい終わりで部屋に放り出すのはジェントルマンとしてどうなのだ。「その決意の証ってことで、」そんな自分への言い訳に、彼女への言い訳を重ねた。)
…血液くらいくれてもいーんじゃねーの、お姫さん。
(いつか魔王に攫われたお姫様を救うゲームをやった時は魔王がお姫様に手を出さなかったのは褒められるべきことだと素直に感じた。本当は手を出したくて出したくて汚したくてたまらなかったのだろうけど、自制が効いたのだ。勇者も半殺しくらいに留めておくべきだった。今自分が魔王だとは言わない。ただ魔王に近い者なら手を出すことくらい許してくれてもいいのではなかろうか。まだ何をされるのか相手側が分かっていないならともかく、牙と言葉が全てを説明しきっているだろう。罪を糾弾する勇者もいなければ剣もないわけだし、ひょっとしたらなんかじゃなくきっと許される。ダメだと言う人がいるならば、それはきっと魔王なら一捻りのモンスター共だ。)
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