傷口の毒味　［　指名制 ／ NL BL ／ 吸血鬼　］

＞ビター

(所詮は己が望む一縷の希望、あっと言う間に覆されてしまったのは予想の出来る答えで。"だよねぇ"なんて相槌があっさりと口を付いたあたり予想が付いていたのかも知れない。"倒れた女を襲うタイプ"と言う野蛮な言葉さえも"ひゅう"と軽さを含んだ口笛で囃し立てる様に笑い飛ばし「おにーさん見た目に寄らず肉食系だっ。＿＿じゃぁ私を助けてくれたの誰か知ってる？教えてくれたらチューしてあげる」余裕を持ち恐れや不安を表に出さない為に一番大事な物は笑顔で有る、そんな持論に基づくように口元には猫の様な笑みをぽってりとした唇で作り上げつつ、最初はケタケタと懐っこい笑い声を零しつつ軽口として、後半には重ねて情報を求める様に貪欲に探りつつ肩をちょんと持ち上げてパチンとしたウインクを。よもや、霞ほども考える事が無い。まさか、己が餌と言う立場で此処にいるなどと。だからこそストレートに伝えられた言葉に瞳を丸くしポカンと口を開けば見てわかる程のコミカルな動きで時間が止まり。餌、餌？それはどういった意味で言っているのか、気の良さそうなこのおにーさんはカニバリズムの癖が有るシリアルキラーだとでも？、そう言えば昨日のニュースで女の子の死体がバーガー店のゴミ捨て場に捨てられてたって話してたっけ。ありゃ、若しかして良いとは言えない状況下？堪らず背筋を冷たい汗がダラリ……。と伝った所で巡り巡ると繰り返されていた自問自答が止まり、「おにーさんお名前は？、新人のタレントさん？格好いいねっ。後で番号交換しよーね、＿＿んで、何処にカメラがあるのん？リアリティーショー？ドッキリ？」ゾッとする恐れを奥底に隠しつつ飽く迄もお道化る様に言葉を続けてみた、愛想のいいニコニコ笑顔が姿を消すと後ろに組んでいた手を解き「私まだ死にたくないんだ、こんなに可愛い女の子様なんだから死ぬなんて世界の大損失だもんね」パッとデコピンをするように親指を弾いて開き直る様に凛とした表情で向き直り、余裕を浮かべるような静かな笑みを表情に浮かべつつ「だから、出口はドコ？教えてね、良い子でしょ」気丈な姿勢、凛とし高飛車な物言いにて己の立場を作り上げながら逸らすことなく彼の動向を見つめて)