主. 2017-12-31 13:58:32 |
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(倒れ込むようにして力の上手く入らない身体を抱きとめた男はそっと告げる、絡んだ指も低い声も全てが自分を溶かしていくようで血の足りない身体は指先から冷えていく。告られた言葉にまた目を見開いて、ボタボタと垂れた涙は頬を濡らすが拭う手立てがなく頬を濡らしていく。それが上質な相手の洋服に染み込むのを幻のように眺めた。…此処で暮らせと言う、行き場を奪って、帰れない身体にして、逃がす気も無く逃げる手段すら奪って、その上で愛してやると…なんて残酷なんだ。現実だけを見てはそんな毒を内心で吐き捨てるも頭の中では冷静に損得の計算をしていた、頷けばこの屋敷から抜け出す術を探しやすくなるのではないかと_けれど、それはつまり、自ら餌になる道を一瞬でも選ぶということ)
…愛してやるなんて、本当に
(悪趣味だという言葉はもう辞めた_この甘言は呪いだ。離れようと絡まった指を解き、突っ張るようにもう一方の手に力を込める。神も仏もいない、いるのは目の前の捕食者だけ。悔しい、本当に、武器があれば、この場に来なければこんな辱めを受けることなんてきっとなかったのに…眉を寄せ、涙を溜めた目のまま相手の碧の双眸を睨みつける。「貴方なんて飢えてしまえ」、初めて真っ直ぐに吐き出した毒が針のように鋭く尖っていることは自覚していた。声が微かに震えていることには気づかないふりをして唇を引き結んだのはきっと恐怖からだ)
( / お優しい言葉ありがとうございます!よろしくお願い致します…/蹴)
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