主. 2017-12-31 13:58:32 |
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(人のころりと変わりゆく感情を見ているのは楽しい。人を支配している感覚がして、己が他人に影響を与えていると感じられるからだ。欲が満たされていく時に興奮するのだと言ったのは誰の持論だったか忘れたけれど、今ではその言葉が身に染みて理解できるようになった。支配欲が満たされ、今まさに吸血せんといったこの状況が最高に楽しい。重ねた肌は肯定の証。何れ自分に全てを委ねることになる予言だ。予言はただの希望に過ぎないけれど。)
…綺麗な手をしているね。汚れを知らないみたいだ。
(本当は手など見ていなかった。初めて彼女に触れ、血液の循環を促す脈の動きに高揚していた。それでも柔和な笑顔を保ち、軽く手を引いてやってその手の甲に口を付け、穏やかな風を装って嘘を吐く。そのまま手に牙を立ててやろうかと思ったけれど、もっと血の巡りが良く目立つところがいい。__例えばそう、多くの吸血鬼が好む首元。1番を奪った証はよく人目に晒されたほうがいい。片手を彼女の首に回して静かに顔をそこへ近付け、触れたままの手は指を絡めた。俯いた彼女の顔を覗き込んでやろうと思ったけれど、それより細い首にどうしても目がいく。濡れた唇で首筋にひとつキスを落とせば、唇の隙間から舌を出してちろりと舐めた。湿ったそこに待ちきれないといった様子で八重歯を立てたものの刺すことはせず、ただ己や彼女を焦らすように視線を一度だけ彼女にやって。)
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