死神 2017-12-31 11:56:53 |
通報 |
(金曜日の晩はパブで過ごす――いつからか、それが習慣のひとつとなっていた。街外れにぽつんと佇む寂れた小さなパブだったが、賑わいからそっと切り離された様な心地良い静けさに包まれる独特の雰囲気が好きで、足を運ぶのは専らこの店ばかりである。あまりにきっちりと通うものだから、これまたいつからか、金曜日の晩、決まった時間に店に顔を出すと自分がいつも座るカウンターの一番右端の席には"reserved"なんて小さなプレートが立てられるようになっていた。今夜も例外ではない。チリン、と控えめなベルの音と共に立て付けの悪い入口の扉をくぐると、相も変わらずしっとりとした静けさに包まれる店内を進む。慣れた座り心地の丸椅子に腰掛け、くすんだ金色のプレートを脇に置いた頃合いを見計らって目の前にことん、と置かれたのは所謂"いつもの"だ。ハーフパイントのエール一杯分の料金を慣れた様子で手渡し、空いたその手でグラスを持ち上げつつちらりと目を遣ったのは小さな壁掛け時計だった。そろそろか、頭の隅でぼんやりと思い返すのは、金曜日のこの時間、決まって声をかけにくるたった1人の友人の存在だった。)
(/満を持して開始とさせて頂きます。途中何かご要望や気になる事が御座いましたが、背後会話にてお声かけ下さいませ。それでは、背後は一旦失礼致します。/蹴り可です)
トピック検索 |