司書 2017-12-30 15:52:29 |
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>橋場
(振り返りこちらを見据えた彼女は、機能が停止したロボットの様に固まって。息遣いは聞こえる、生きていることは安易に判断がつくのだが何故、彼女が沈黙を保つのかは分からない。だが、ここで追い討ちを掛けるように言葉を紡ぐのはよくないだろう。一時の沈黙の中、降り注ぐ視線から顔を逸らすことはせず、彼女の返答を有名な忠犬のように身動きをせず待って。「…どういたしまして、君が謝ることはないよ。むしろ、来るのが遅くなってごめんね。」
いつも見聞きするのと違う笑い方をする彼女に、内心首を傾げる。それが作り笑いに似たものと気づくことなく、彼女の笑い方なのだろうと素直に納得して。彼女は、こちらの不手際に対して怒ることも不快感を顕にするなどそんなことは全くせず、むしろ謝罪の言葉と慰労の言葉、それに感謝の言葉までくれる優しい人の様だ。彼女が謝る必要はないという旨と言葉を伝えた後に、その気持ちが伝わるように頭を下げよう。)
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