xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>89 レノ
居るよ、ちゃんと!ほら。(ああ、しまった。此方を見た瞬間の彼の反応に、そんな顔をした。自分が透明人間であること、自分の体は頭の先から爪先まで目には見えないこと、それは自他共に認識している紛れもない事実である。然しながら、姿が見えないと言うその一点を除けば、この館の中では圧倒的に"普通"に近い存在――だからこそ、時折、招かれたばかりの死にたがりを驚かせてしまうのだと言う事を忘れてしまうのだ。おそらくは、突如として起こった不可解な出来事に酷く混乱している事だろう。その証拠に、未だ何もかもが半信半疑、と言った様子で近付いて来る彼の様子をじっと見詰めて近づいてくるのを待った。此方からは動かず、おそるおそると伸びてきた彼のその指先が袖をそっと掴むその瞬間を迎えて始めて再び声を発したかと思えば、見えないだけで確かにそこに存在する右手でそのまま彼の手を握り締める。握手、とでも言うべきか。やんわりと握り締めた手をそのまま上下に揺さぶり、「目には見えないだけで、ちゃんと此処に居るんだぜ。なっ、忘れるなよ!」と忠告した後に彼の手を解放してやって)
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