xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>301 夏目 央
(この輝きに、長い時を経て尚褪せる事の無い美しさに、もう随分と前から取り憑かれていた。この一室を悪趣味だと言うものは少なくない。部屋いっぱいに詰め込まれた宝飾品の数々が意思をもつとは思っていないが、不思議とそれらの"欲"めいたものが感じられるのだ。己がもつ美しさと輝きに絶対的な自信をもち、我先に、この部屋で最も美しく愛でられるべき存在は此処に在るのだと――この部屋で長く過ごせば過ごす程、そんな声が聞こえてきそうになる。その度に思うのだ、己によく似ていると。彼女と過ごす様になってからと言うもの、こんな風に己を省みる機会が妙に増えてしまった様な気がする。アメジストを一粒拾い上げるその指先を眺めた視線は、此方を見上げる彼女のそれとは交わらぬままゆらりと他所へずれた。視線の先にあったのは、シンプルだが品のある輝きを放つ銀製のアンティーク調チョーカー。中心からやや左へずれた場所には細やかな蝶の装飾、その翅には加工されたアメジストがまるでステンドグラスの様に填め込まれている。指の先にひょいと引っ掛けたそれを手に彼女と向かい合い、そのまま身を乗り出す様にして彼女の首へと顔を寄せれば「…アタシが良いと言うまで、じっとしてなさい――」と、そう囁きながらちろりと長い舌の先を白い肌の上へ這わせて)
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