xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>288 夏目央
さあね。アンタが此処を出て行く時が来たら、教えてあげても良いわ。(自覚する以上に己の感情が言葉に滲んでしまったのか、それとも彼女が他者の感情と言うものに人一倍敏感なのか。いずれにせよ、投げ掛けられた質問をはぐらかしたのは、求める自由を問うその声に何かネガティブな印象を抱いたからではない。単に、答えたくない。それだけだった。一度答える事を拒んでしまえば、彼女がそれ以上深く追求して来ないと言う事を分かっているのだ。肩へ流した淡い薄紫色の髪へ指先を通し、櫛の代わりにでもするようにするすると梳きながら彼女が此方へ近付いて来るのを待つ。思えば己がこんなにも誰かを待つ為に時間を使ったのは一体いつが最後だったか。早くしろと言わんばかりの表情を隠す事こそしなかったが、今度こそはっきりと、彼女の中にある確かな意思を伝えるその声に"ふん"と短く鼻を鳴らせば「…鈍臭いのは置いていくわよ。見失わない様に着いて来な。」とぶっきらぼうに告げる。そうして体の向きを開いた扉の向こうへと変え、行き先は告げる事無く何処かを目指して進み始め)
…アンタの物好きは相変わらずね――まあ、その姿勢は褒めてあげるわ。練習したならそれなりの化粧が出来るんでしょうね、近い内に見せてみな。
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