xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>226 夏目央
――当然でしょう、分かり切った事聞くんじゃないわよ。(未だ乾かぬままの血がべっとりと体に付着するのが分かる。彼女の様なニンゲンのそれとは比較にならない優れた嗅覚には、聊か強過ぎる血の臭いが己の体の周りを取り巻いていた。血の臭いに敏感な住人がこの館にはもうひとり居る、嗅ぎ付けられてしまっては面倒だ。そもそも、己の体を汚してまで死にたがり相手に世話を焼くなどと、珍しいどころか極めて稀な事態。慣れない事はするもんじゃないと、今更ながらにそれを思い知らせんとする妙な疲労感に肩を竦めては、彼女からの問いかけをぴしゃりと一蹴した。そう時間を掛けるでも無く辿り着いた彼女の部屋、尾を使いやや乱暴に扉を開ければその場に彼女の体を下ろしてやり「風呂と着替え。血の臭いを残したまま出てくるんじゃないわよ、時間を掛けてでも確り綺麗にしな。これはアタシからの忠告よ。」と指示する。さっさと行けと言わんばかりに顎で部屋の中をくい、と示した後、血で汚れた己の体に視線を落とすなり遠慮の欠片も無く表情に憂鬱さを滲ませては「今回はアタシのやった事だから、責任を取ったけれど――そうじゃなかったら、こんな世話焼かないわ。間違っても、自分でもう一回試してみようなんて思わない事ね。今度こそ、アンタがどうなっていようとアタシは放っておくわよ。」と、間違っても彼女が己に対して余計な勘違いを抱いてしまわぬ様釘を刺すような言葉を添えて)
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