xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>136 夏目央
さあ、どうかしらね。言っとくけど、あいつらは口利かないわよ。(彼女が一体何を想像しているのやら、実物よりも随分と楽しげなものを想像しているのだろうと感じさせる言葉に大袈裟な仕草で肩を竦める。事実、到底家族などと呼べる存在とは言い難いのが彼らである。あくまで何処までも都合良くせっせと動く働き者達、彼女もその内に彼らの上手い使い方を学ぶのだろうとそんな事まで考えていながら、それを言葉にして伝えてやらない辺りに意地の悪さが覗いていた。もし、己がもっと思いやりとデリカシーのある性分ならば、こんな質問はしなかっただろう。何故なら、あまり詳細な部分には触れていないにしろ、彼女が元の世界でどんな生活を送っていたか大まかな情報は事前に与えられていたのだから。友人と出掛けている間の事ならば兎も角、休日の過ごし方を問えば彼女は必然的に自宅での時間を思い出す事となる。それが彼女にとって、どの様な思いをさせる行為なのか――そんな所まで考えてやる程、この男は優しくなれない様だ。さっさと答えろと言わんばかりに向けていた眼差しは返って来た言葉を聞くなり玄関ホール中央の階段へと流れ、そのまま上の階を目指して進み始めると「蔵書室の場所を教えるわ。」とだけ伝え、ちらりと彼女を振り返って)
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